自分が撮りたい写真とは?(初動編)

最初の半年くらいでしょうか(撮影回数にすると20回ほどかもしれません)。それくらいの間は、とにかく撮ることが楽しくて楽しくて仕方がない時期がありました。毎回何か新しい発見があって、自分なりの課題が見つかって、「次はこうやって撮ろう」「このように課題を解決しよう」の連続でした。自分でもわかるくらい、撮影した写真が変わっていったり、先生やほかの人から褒められたりと、自分に対する自信がどんどん付き、とにかく撮影が楽しいという時間が続きます。そしてその時期を過ぎた頃、多くの人は分岐点を迎えるのではないかと考えます。

このまま、今の流れで進むべきか、自分なりの別の道を模索していくか。

自分の撮りたい写真とは?この疑問は常に頭から離れません。
BEATNIK_yokohama実践編講座 Model saori
Fujifilm X-T3/XF35mm F1.4
Adobe Lightroomで編集

ポートレートを撮るということに関しては、必要な技術というものは、それほど多くないというのが私の印象です。特に今のデジタルカメラの性能は非常に高く、ある程度の方法論さえわかれば、それなりの写真はすぐに撮れるようになります。このことが、ポートレートを身近なものに、そして実際に趣味としてやっている方が多い理由と言えると思います。

先ほど言った分岐点に関して、もう少しはっきり言うと、
①ある程度自分が納得できる写真で満足して、
 それを撮影することに楽しみを見出せる人
②他人から評価をもらえるような写真が撮れるように、
 もっと上を目指したいと思う人。
③自分にしか撮れない写真を撮りたいと思う人

とが出てくるということです。

②もしくは③の考え方を持つ人は、楽しい時間が過ぎた頃、必ず同じ疑問を抱くはずです。それが表題に書いてある、

「自分が撮りたい写真とは?」

なのです。

ちなみに②を選んだ方に対して、私から申し上げられることは何もありません。私よりも自分が目指したいと思う写真家や、専門書で学ぶ方が間違いがないからです。評価基準も雑誌掲載やコンテストといった晴れの舞台が用意されています。

問題は③を選んでしまった人です(笑)
もう少し補足すると、本来③を選ぶタイミングは②を選んで一定の評価を受けた後、選ぶべきかもしれませんが、そのステップを飛び越えて③を選んでしまった人たちです。

しかし私をはじめ趣味でポートレートを撮っている人は、今更写真の歴史や写真家の作品を研究したり、構図を勉強したりなど学校の授業のような勉強などしたくはないはずです。自分の撮りたいものを撮る!自分のやりたいことをやってこそ趣味なのですから(笑)

しかし、この「自分が撮りたい写真」が単純に見えて、実は大変な曲者なのです。次回は、身の程知らずにも③を先に選んだ私の苦労の一端をご紹介しようと思います。