はじめに

ポートレートを撮影していくと、自ずと自分なりの目標みたいなものが出てきます。ある人は、尊敬する写真家を目標に、あんな素敵な写真が撮りたいと。またある人は、多くの人が美しいと感じてもらえるような写真を撮りたいと。このように指標や、価値のものさしを持つことができれば、きっと迷うことはないでしょう。
しかし私は、違う道を選んでしまいました。それは、自分が表現したいものを写真にしたいと考えたのです。

最初は、自分には多くの人から「美しい」とか「綺麗」という評価を受けられるような写真を撮る、技術もセンスもないので、自分が活かせるポジションはここしかないという感覚で進んできたのですが、これが恐ろしく辛い道だったということを、程なく知ることになったのです。
まず降りかかってきた大問題は、正解がないということです。というか正解は自分の中にしかない、という方が正解かもしれません。ややこしい(笑)。次に悲しいことが、撮影した写真は、世間に評価されにくいということです。もう少し具体的言うと「いいね」が付きにくいということです(笑)。一部の人の心には刺さる写真かもしれませんが、大部分の人たちの反応はあまりよくありません。当たり前です。一般的な価値観を無視して、自分の心にある世界を表現しようとしているわけですから、多くの人から評価をもらおうということ自体が無理な話なのです。

よって迷います。どこに向かっていけばいいのかわからなくなります。出口がない迷路に迷い込んだように、もしくは水中深く沈んでいくように、とても苦しい状態が続きます。出口を見つけたと思ったら違っていて、また苦しい状態に戻ります。そんなことを繰り返していて楽しいの?と聞かれます。この苦しみ、試行錯誤することが、私はとっても楽しいのです!

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既存の価値観からの自由は、生涯かけた苦しみを伴います(笑)。
BEATNIK_yokohama実践編講座 Model Midori
Fujifilm X-T3/XF35mm F1.4
Adobe Lightroomで編集

この苦しみを楽しめるかどうかは、皆さんのポートレートに求めることや、性格によっても違うと思います。ここから先は、私と同じ苦しみを味わいながら、生涯かけて自分なりの答えを見つけ出す、覚悟のある方のみお進みください。深く知ってしまうと、ポートレートの闇に迷い込んでしまいますよ(笑)。ちなみにもちろん、welcomeです!苦しみを分かち合える仲間が増えれば、苦しい道も楽しくなりますしね!

なお、このブログでも再三紹介している、写真の師であるBEATNIK_yokohamaの野田先生が、この苦しみを味わうためのコミュニティを主催しております(笑)。その名も「UNGRAPHY」。外部リンクにも紹介しているので、ご興味があれば訪問してみてください。

ポートレートのはじめ方」「様々な悩み-初級編」は答えが出る問題であり、序章にすぎません。
ここからが、本ブログの本題です。正解がないものの正解を求め、もがき続けながら試行錯誤する様子を、お送りいたしましょう!