さあ、どう撮ろう?②

それでは前回に引き続き、最初に心がけておいた方が、後々役に立つであろうことの続きを書かせていただこうと思います。

③いろいろな方向から撮る

ここいい絵になりそうだな、という所にモデルを立たせたら、正面からだけではなく、左右上下あらゆる方向から撮影するようにしましょう。写真を撮っていくとわかるのですが、自分の既成概念を崩すことが上達へのきっかけとなります。頭に浮かぶ写真の完成形だけを追って撮っていると、いつまで経ってもその先に進むことができません。そもそも、これを読んでいただいている皆様が、ものすごいセンスの持ち主であれば、このようなことは必要ないかもしれませんが、ほとんどの人が私と同じ凡人だと思います(笑)。よい写真というのは、自分が考えている外にあると考えて、あえて自分の感性に逆らって、撮ってみると大きな気づきがあります。

④寄りと引き

ここはある程度思い切りが必要です。中途半端な動きですと、写真が変わり映えしないので、引くときは10m・15mと離れて撮る。寄るときはフォーカスが合う最短撮影距離近くまで詰めてみましょう!モデルに寄ることに抵抗がある場合は、背面液晶を見ながら、カメラだけ寄らせて撮ってみましょう。③④に関しては、自分の写真に対する先入観を払しょくさせるために大切なことです。良い写真になるかを考える前に、撮ってみることが重要です。そうすれば、きっと何か新しい発見があるはずです!

blog_warries_pic004
明る目に撮っています。露出は撮影時のままです。
BEATNIK_yokohama実践編講座 Model ハンナ
Fujifilm X-T20/XF35mm F1.4
Adobe Lightroomで編集


⑤明るく撮る/暗く撮る

いつも適正露出で撮っていては、同じような写真が並ぶだけです。ポートレートのはじめ方③で書いた通り、マニュアル露出ができるようになっていると仮定して言うと、シャッタースピードを上げたり下げたり、必要ならば絞りを調整して、わざと明暗をつけて撮影してみましょう。これも思い切りが重要ですので、3分の1段とかではなく、1段前後適正露出から変えて撮ってみてください。

このようなことを言うと、後から露出は編集できるから、その場では適正もしくは、少し暗めに撮る方がいいと指摘する方もいらっしゃるかもしれません。あなたがもし、友人の結婚式とか、頼まれた仕事として撮っている場合は、致命的な失敗を避けるためには、そのような撮影の仕方が必要かもしれません。

しかし、ポートレートの上達を考えた撮影であれば、ぜひたくさん失敗してください!(笑)。こちらもポートレートをはじめ方③の記事でも書きましたが、ポートレート上達のために、失敗することがとても重要だと、自分の経験から思うのです。
そしてもう一つ重要なことは、写真を撮っている瞬間に完成形を追い求める癖をつけてください。精神論的になりますが、シャッターを押した瞬間が、撮影者の魂が注ぎ込まれる最大の瞬間です。写真編集とはその時の撮影意図を、より多くの人に伝えるための補完的技術と私は考えております。写真は撮影した瞬間に、ほぼ完成しているべきだと私は考えるのです。この癖をつけておくことで、次のステージ登った時に来る課題の克服がスムースになりますので、ポートレート始めて最初のうちは、シャッターを切った瞬間に完成形を目指す癖をつけていただくことを、強くおススメいたします。

いかがでしょうか。前章から引き続き、①~⑤までのパターンを順番に試してみたり、組み合わせたりするだけでも、かなりの枚数の写真が撮れるようになると思います!