ポートレートにはコミュニケーション能力は必要か?

さて、ポートレートを撮りたいけど果たして自分にできるだろうか?と考えてしまう大きな要因について、自分の経験から辿り着いた見解を話すことにいたしましょう。
表題のコミュニケーション能力についてですが、ポートレート撮影初期の経験の積み方によってその答えは変わってくると思います。ポートレートを始めた初期からモデルさんと2人で撮影をしている方から言わせると、恐らくコミュニケーション能力は必要だ、という答えになると推測します。しかし、ポートレート講座などを受けて、撮り方を学んでから個人撮影をスタートした私などから言わせると、最初から必要はないという答えになります。

なぜこのような見解の差が生まれることが想定できるか。それは、撮影初期の自分の状況を考えると、そう考えざるを得ないと思うからです。
私はポートレート撮影をはじめた当初、撮影することに手一杯で、モデルさんと話している余裕などありませんでした。更にその精一杯の撮影ですが、4~5枚くらい撮ったあと、次にどう撮るかわからなくなって、頭が真っ白になりました。その状態になる所要時間は、撮影スタートから1分とかかりませんでした(笑)。もしその状態になることが一般的と考えた場合、いきなりモデルさんと2人きりで、1時間撮影するとしたら。ほとんどの時間、話していないと間が持たなくなると思います。それを考えるだけでも、講座からスタートして本当によかったと思うわけです。講座では恐らく先生が後ろにいます。どう撮影したらよいかわからなかったら聞けばいいだけです。またモデルも初心者ということがわかっていて、接してくれます。話ができなかったり、手際が悪かったりしても、温かく見守ってくれることでしょう。

どうですか?これだけでも、ポートレートは講座から始めた方がいいと思っていただけたのではないでしょうか。詳しくは、ポートレートのはじめ方をご一読ください。

はじめての夜ポートレート撮影。
BEATNIK_yokohama夜景ポートレート講座 Model Moriyuka
Fujifilm X-T20/XF35mm F1.4
Adobe Lightroomで編集


さて、ある程度撮影に慣れてきました。そろそろモデルと2人で撮影しようかなと考え始めたときに、この問題が再び頭をもたげて襲い掛かってくるのです(笑)。しかしご安心ください。何とかなります!!(笑)。無責任な答えかもしれませんが、本当に何とかなります。それは、撮影のバリエーションが初期の頃よりはるかに増えているはずなので、それを駆使すれば1時間なんてあっという間です。これも騙されたと思ってトライしてみてください、としか言いようがありません。あとは慣れ以外のなにものでもありません。数をこなせば解決できる問題です。

ところで、ここまでの話しは、実はポートレートにコミュニケーション能力が必要かという話というより、モデルと2人になった時に、どうすれば問題なく、モデルに不愉快な思いをさせずに済むかという話ですね。世間一般的には、このことをコミュニケーション能力として大切だと言い、撮影した写真を見せたり、話をしてリラックスさせたり云々と、書かれた記事を私も読みました(笑)。
これはこれで、それなりに重要なことかもしれませんが、正直言ってあまり気にする必要がないというのが私の結論です。不愉快な思いをさせてしまうのが心配なら、その分写真を撮っていればいいわけです。その際に、もう少しこんなポーズでとか、ここに座ってもらえますか、とか言ってれば変な間が開くこともないと思います。また、講座に行けば、必ず1人や2人、そのあたりのさばき方が上手な人がいますので、それを参考にして真似すればよいのです。モデルは写真を撮られに来ているわけで、楽しい話を聞きに来ているわけではないのですから、自分の頭の中で、勝手に作り上げた期待に応えようと空回りする方が迷惑でしょう。むしろ無口で必要な時にしか話さない方が、写真と真剣に向き合っている感が出て、モデルには好印象なのではないかと思います(笑)。

それより、ポートレートを撮影するために必要なコミュニケーション能力は、別のところにあると思います。

それは、自分が撮りたい写真をモデルに伝えるための力です。

ある程度個人撮影にも慣れてくると、必ずこの課題にぶつかります。そして漏れなく私も現在この課題に直面しております。これに関してはトライ&エラーを繰り返しながら自分なりのやり方を模索していくしかないでしょう。

今後ブログで私の試行錯誤を紹介していきたいと思っております。

というわけで結論としては、モデルとの単純な会話的コミュニケーション能力を心配しているのであれば、取り越し苦労です。心配であればポートレート講座を受けて、少し慣れてから個人撮影に進むようにしてみてください。よってこれからポートレートを始めようと考えている方は、この心配をする必要ありません。

一方、ポートレートの上達のためには、自分の撮影意図を相手に伝えるためのコミュニケーション能力を磨くことは、とても重要だと思います。

大部分が本質ではないところの話しになってしまいましたが、取り越し苦労で、いつまでも前に進めない人の背中を押したくて、このような記事を書いてみました。なぜなら、私がかつて中々最初の一歩を踏み出せない人間でしたので(笑)。

一緒にがんばっていきましょう!